Tyler, The Creator“Cherry Bomb”に関する雑記
- アーティスト: The Creator Tyler
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2015/04/28
- メディア: CD
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とはいえ、ドラムがJoy Divisionを彷彿とさせるPILOTや、Suicideを感じさせる表題曲CHERRY BOMBはおおっとなりました(この辺のニューウェーブが好きな方にも聴いていただいて感想を聞きたいところ)。特に、ドリーミーでジャジーな前曲FIND YOUR WINGSからハンマービートに雪崩込むCHERRY BOMBのイントロには思わず笑いました。タイラーのシャウトとノイズに切り込むコーラスが本当に最高。タイラーお馴染みの(?)メロウ路線BLOW MY LOAD(この曲でのシドのウィスパーボイスも魅惑的)、2SEATERも良い。こういう曲にこそタイラーの低い声がセクシーに響いていいね。 でもやっぱり今はこの曲に夢中。
Tyler, The Creator - Fucking Young - YouTube
恐らく一言で言うと、6歳年下の子(17歳)を好きになっちまった~犯罪だウワ~~~でも理性が~~ウワ~~~~~みたいな曲ですが。地に足が着いていない片想いの高揚感、何気ないやりとりの幸福、自分への戸惑い、背徳感と表裏一体の甘美さ、性衝動と抑圧、その欲求不満とが、美しくまとめられていて、聴くほどに心を捕えて離さない。気持ち悪さ随一のストーカーソングShe(“Goblin”収録)でも感じたけど、タイラーは支配欲、性欲、ピュアな恋慕が入り混じる恋愛の執着を、リリックだけでなく音でも見事に表現するなぁ。
アルバムでは、この曲は相手の女の子視点のアンサーソングPERFECTとメドレーになっている。FUCKING YOUNGは実在の女の子について歌っていると本人がtwitterで明かしていたけど、その想いを寄せる相手の心情を妄想し、自分へのラブソングとしてわざわざ表現する気持ち悪さよ。歌っている女性シンガー(Kali Uchis)がロリ声てのがまた。まともな曲を作り始めたと見せかけて、こういうナチュラルな気持ち悪さはやはりどうしても消せないのか。大好きだ。
それにしても18歳未満との性交渉を禁じる法云々があったとして、そこまで思い悩むものなのか…?と思っていました。でも先日ネット中継されたコーチェラでのライブで、この曲を熱唱(!)するタイラーの姿を観て、ああこれは実際あった話なんだな。本当に、切実な心情なんだな。となんだか納得してしまいました。切ない顔で歌いやがって…。 本人はtwitterでこの時のことをkinda suckedと言っていましたが、来日する9月のライブでこの曲をやる時はもっと歌がうまくなっているのでしょうか。フックでファッキンヤァァ~ンってシンガロングするのも楽しみ。
そういえば、去年Tumblrで公開された未発表曲Diaperが収録されていなくて残念だった。お蔵入りになっちゃったのかな。かっこよかったのに勿体無い。どこかでまた聴けたらいいな。